そしてパレイドは続く。
夏川椎菜さんの「パレイド」今更ながら手に入れたのでぼちぼち聴いているんですけれども、すごい。
アイドル売り著しい昨今の声優業界の、その中でも「ゴリ押し」とか言われちゃうぐらいの事務所「ミュージックレイン」が彼女の事務所ですが、これはすごい。
アイドルなんていうと、やっぱりイメージ的には(アイドルマスター的にも?)「キラキラしてる」「夢と希望をくれる」みたいな、やっぱ全世界トップアイドルといえばミッキーマウスだよねみたいな、そんなイメージが根強いけれども、それが変わりつつあるのかもしれないとさえ思います。
いやこれは声優のCDだよって言う人もいるかもしれないけど、まあ声優が自分の作品のタイアップとか何もなしでCD出す時点でアイドルと売り方変わらんというのは納得していただけるはず。
で、パレイド。よくこの曲に「パレイド」ってつけた。
「上手く笑えてたら今の僕はこんなじゃない」って歌詞すごいですわねほんと。
20代前半の女性にそんな事歌わせる?
いやでもこれが似合う女性なんですわね。
もちろんいい意味で。
キャバクラとかメイド喫茶ですら行きづらい僕ら地下のオタクからすると、「そうだよねわかるよ世の中ってクソだよね」って言ってくれそうな、ネガティブなところがバリバリに出てる女の子がもはやアイドルと呼べるのかもしれない。
「身の丈に合わないきれいごと」ってフレーズも天才的だと思います。「そんな風になれたら良かったね、なれなかったから今こうなんだけどね!」っていうヤケになりそうな気持ちをこのサイズに落とし込むのすごすぎる。
どうせゴールまでは歩いていかなければいけない、という諦めにも似た感情が「パレイド」なんだろうと思います。すげーですよほんと。
カップリングの「ラブリルブラ」のほうがどちらかといえば「パレード」っぽい、というかまんま「パレード」って歌詞に出てくる曲なんですけども、単純な好みで言えばこっちのほうが好みでしたね。
BPM倍取りのスウィングっぽい曲だいたい好きだろって言われたらそうですっていうしかない。
あと歌い方もaikoとかあのへんに更に寄せてるなーという感じが個人的にきますね。
でもA面があの曲で、「夜明けまでのユーフォリア」なんて言われるとああ……いい夢だったね……って感じになるから文脈ってホント大事。
とにかくおとぎ話っぽい、おもちゃ箱っぽいワードをいい感じに韻を踏んで詰め込みました、って感じがすごく軽快で頭空っぽに出来て良い感じなんですけど、「埃かぶったダイアリー」がすごく光る。
すごく個人的な、夜踊るおもちゃとしては異質な存在なんですけど、「ようやく死ねる」みたいな解釈もできるし、「幼い日の約束」ってのに絡めるとまた違う解釈も出来るし、このあたりがただ明るいだけの曲じゃなくしてると思います。
匠の技です。
ただ明るいだけの曲なんて夏川さんには似合わないですもんね。いや褒めてるんですよほんと。
公式の試聴動画がなかったんで、「夜中の遊園地、おもちゃ箱」ってことでちょっと雰囲気の似ている曲を貼っておきます。
これも記事1つ書けるぐらいメチャクチャいい曲。
ここまで書いてamazon貼れば良いことに気がついた。
気になった方はどうぞ~