シティーハンターを90年代アニメリバイバルとして観に行ったら10年代アクション映画としてぶん殴られたという話。
シティーハンター、観に行ってきました。
別に全然世代というわけではないのですが、まさにそういう層に受けてるらしいですね。
個人的にはコブラあたりのちょっと小粋にジョークをかますような主人公、いわゆる洋画っぽい主人公のアクション大好きなので、アニメで観たことはなかったんですがまあ最低でも外したと思うことはないだろうと。
思って観に行ったんですよ。
甘すぎた。
アレは紛れもなく2019年公開のアクション映画でした。
多分ネタバレを含むのでどうしても嫌な方はブラウザを閉じてください。そんな言うほどのどんでん返しを求めるジャンルではないと思いますが。
で、何がそんなにすごかったかって、90年代のシティーハンターの続きとして最高に完璧に当時のままのネタを入れてきつつ、2010年代のアクション映画としてのトレンドを完全に掴んでいるんじゃねーか?って思わされちゃったところです。
街の始末屋ってことで、最近だとやっぱ僕の愛してやまない御家人斬九郎……ではなくジョン・ウィックシリーズとの比較が一番やりやすいかと思うんですが、見ててまず思ったのが完全にこの人達真逆ですね。
ジョン・ウィックの世界では、殺り損ねたらそれは死と同義です。だから一発当たってもきちんと頭に2発ぐらい入れる。念入りな殺しようです。
それに対し冴羽獠は作中で一発も狙いを外していないにも関わらず、手や銃器以外の部分を狙う素振りはありません。これはあくまで警察に引き渡すんだから無力化すりゃ良いやってことですね。
まあ最初のロケラン爆破は逃げ遅れりゃ普通に死んでたと思いますが、そこは因果応報。
で、僕がなんか意味もわからずテンションぶち上がってしまったのは冴羽獠がダブルバレルショットガンをソードオフ=のこぎりで切って銃身を短くしてたところですね!!!ココ重要!!!!!何でかは分からないんだけど!!!!!
ジョン・ウィックはそりゃもう警察とかも「騒音注意されてるから来たわ!大丈夫か?じゃごゆっくり~」で済むぐらい敬遠されてますが、代わりに裏社会のバックアップが完璧ですから。
”ソムリエ”任せの優雅な銃選びシーンは「あ……もしかして殺し屋って楽しそうなのかな……」って思わされること請け合いです。
でも冴羽獠が住んでるのは日本ですからね。そこまでのバックアップは期待できない。
だから取り回しの効く、ドローンを撃ち落とせそうなライフルなんつったらもう自作するしかないでしょう。
そのへんの絶妙なリアリティが良かったと思います。この辺はマッドマックスに近いDIY精神ですかね。
でもそれにしたってわざわざショットガンのバレルをノコギリで切る描写いります?わざわざ「日本にそんな銃身の短いショットガン売ってねえよ!」ってシティーハンターに文句をつける人がいるとは思えない。完全に監督の趣味でしょアレ、って感じでとてもよかった。
あとはジョン・ウィックの名前を出すならやっぱりアレですよね。
海坊主と敵傭兵軍団のボス(名前失念)の徒手空拳バトル!
徒手空拳でやろうぜ、って言い出したときにメチャクチャ笑いそうになりました。完全にジョン・ウィック1のラストバトルじゃないですかー!ってなりました。そしてこの記事を書こうと思いましたよ。
しかし流石に徒手空拳で、って言いながら敵が辛抱たまらずナイフを持ち出すところまで一致してるとは恐れ入りました。
いや本当に2019年の新宿でシティーハンターがあんなにリアリティいっぱいに動くと思ってなかったので、本当に感動しました。
俺もひとりでは解けない愛のパズル抱きてえ……
ではこのへんで。