米と汁、それでいい。
代々木、それはいまいち行かない街。
イベントをするにも山野ホールとZher the ZOOぐらいしかなく、代々木の名を冠する国立代々木競技場に関しては原宿から歩いたほうが早いという、なんともイベントづかない街。
しかし、そんな街にも、僕を魅了してやまないご飯屋さんがある。
これを見た人は、何だと思うだろうか?
ラーメンライスセットだろうか。
否、これは、
豚汁定食なのである。
定番メニューはこちらに詳しい。
かつて見たことがあるだろうか?
豚汁が丼ぶりに入りお盆を占拠し、隣ではご飯と付け合せが震えながら身を寄せ合っている光景を。
しかし、これが食べてみるとすごいボリュームなのだ。
定番メニュー「ごちとん定食」に鎮座するのは「豚肉だから豚汁だ、間違ってないだろ」と言わんばかりのでかいスペアリブ。しかもこいつがしっかりついた焼き目とは裏腹に、実はきちんと煮込まれていて、ホロホロと解けていくのだからたまらない。
それをかぶりとやり、ご飯を食べる。至福。
今日僕が食したのは、期間限定メニューの「あおさと豚肉の味噌汁」。
もちろん周りに漂うあおさの香りはたまらない。そんなことは自明の理だ。しかしこの汁のラーメン然とした雰囲気はなんだろうか?
豚肉である。
食べても食べても豚肉が出てくるのだ。ラーメンの麺のように。これに気持ちが昂らない男がいるだろうか?
しかも、ランチには有り難いことに生卵がつくので、卵かけご飯を更に豚汁にINする、などという外道ギリギリの所業まで行えてしまう。
このボリュームで1020円。
味噌にこだわりがある人にだって、選択肢がある。
それぞれのメニューは「江戸前甘味噌」「信州味噌」「九州米味噌」あるいはそれらの合わせ技でできているのだ。
しょっぱくないとご飯が食えない?信州だ!江戸っ子?江戸前味噌だ!
そういうことだって、できてしまう。
たかがとん汁、とまだ思っているかもしれない。しかし少しでも心が動いた人がいたなら、そしてその人が代々木の地を踏むときが来るなら、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
きっと損はさせない。約束する。