パンクをなんとなく勘違いしてた男の話。
Hi-STANDARDのサブスク配信が始まった。
みなさんは「パンク」というジャンルにどんなイメージを持っているだろうか。
個人的にはなんとなく、世の中に対する不条理に対して叫ぶというイメージがあった。
多分9割銀杏BOYZのイメージで、残りがブタパンチ先生だね。
[ポップン] オイパンク0(OI punk 0) ブタパンチのテーマ EX
こういうイメージ。
なので、今まで食わず嫌いしてきたみたいなフシがあった。
積極的に聞く動機がなかったから。
でも、相当良いって声が多いらしいし、というわけで聞いてみることにしたのである。
メッチャメロディが良いじゃん!
こういう感じだとは思っていなかった。
よく考えたら洋物ロックで知らずに聞いていたものの中に、確かにこういう感じの音楽があったような気がしてきた。
つまり俺は既にパンクに触れていたのだ。*1
なるほど、この感じ…メロディがエモくてコードが単純な感じの早いロックを日本に持ち込んだのがハイスタだったということなんだな。
ということに気付いた28歳の春でした。
ソフトクリームは溶かして飲む派の人々に捧ぐ。
いやもう、寸分たがわず予想通りの味すぎて記事に書くようなもんじゃないけど。
こういうのは奇をてらわない王道が愛される秘訣である。
とはいえ、マジでソフトクリームを溶かした時ほど油っぽくもない。
甘いの大好きデブなら一度は買うべし。
daphがこれまたヤバイ曲を商業でリリースしていた件について。
一般的でない曲を作るのはそう難しいことではない。
一般的でないリファレンスを用意すればいい話だからである。
タモリ俱楽部の音楽回を見れば多くの一般的でない音楽(とそれに使われる謎の民族楽器)を目に(耳に?)することが出来るだろう。
しかし、それを商業で出すとなると話が変わってくる。
商業でリリースされた楽曲は、売れなければならない。
売れるために最も良い手法のひとつは、最大公約数的に作ることである。
流行っている音使い。聞こえの良いコード進行。共感できる歌詞。
ただ、オタクに向けてそういうものを作るのはリスクが高い。
オタクが最も敬遠するものが、「みんなが好きそうなもの」だからである。*1
おのずからして、オタク向けの市場というのは論理破綻しているといえる。
それでも、俺たちオタクに向けてコンテンツを提供してくれる人々はいる。
であるならば、応えなければなるまい。
刺さったものは刺さったと、大声で言わなければ。
何の話してたっけ。
そうでした。
アイドルマスターミリオンライブ シアターデイズ!に、友人であるdaph君の曲がイベント曲としてリリースされた。
それがこちら、「クルリウタ」。
「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ゲーム内楽曲『クルリウタ』MV
これについての本人のツイートがこちら。
アイドルマスター ミリオンライブ!シアターデイズ、イベント「プラチナスターツアー~クルリウタ~」にて楽曲『クルリウタ』作曲担当させていただきました!くるりよ!何卒宜しくお願いします~! https://t.co/2rnjir7mge
— daph / ゆずりは🌿 (@aa3d) April 19, 2020
あんたがたどこさ みたいな、拍子が安定してないわらべうたとか古謡のモチーフがめっちゃ好きで、そういうのがやりたくてイントロのあれから書き出しました よしなに~です✋
— daph / ゆずりは🌿 (@aa3d) April 19, 2020
そう!音楽といえば4拍子というのが当たり前になっている現代の音楽(≠現代音楽)だが、日本人が万葉集の奈良時代から1300年以上擦り続けているのは、七五調である。
クルリウタにおけるイントロやアウトロに出てkる「えんえんくるり えんくるり」というフレーズがそれにあたる。
七五調というのは、①②③④⑤⑥⑦-①②③④⑤-というリズムで構成される。
つまり、四拍子と三拍子の複合なのである。
この奇数というのがミソで、短歌にしろ詩にしろ、元来黙読するものではない。歌である。声に出して歌うのだ。
であれば、ブレスのタイミングがないと歌い続けられない。
そうしたとき最も心地よく感じるリズムが七であり五なのである。
さらに言えば、上のツイートでも示唆されていた「あんたがたどこさ」は、おおむねこのルールを守りつつも、「肥後さ」「せ(ん)ばさ」など、五よりも少ない三音節のリズムが挟まってくる。
このリズム不定感、「ちゃんとしてなさ」がまさにわらべうたたらしめているのであろうと感じられる。
しかし、それをいかに商業に取り込めるかというのはまた別問題だ。
尖りすぎたものは売れないからである。尖ったポイントと分かりやすさ、そこのバランス感覚がないとプロにはなれないのだろう。
それをdaph氏は、現代でわらべうたの持つもうひとつの側面である、「不気味さ」にフィーチャーし、それを福富雅之氏が怪しげなストリングスの漂うロックに仕上げることで、完成度の高い楽曲に仕上がっているのは見事としか言いようがない。
手毬唄の不気味さについては名探偵コナンなど、度々モチーフに使われるところではあるが、楽曲に大きく取り入れたものとしてはbeatmania IIDXに収録されている「カゴノトリ」が印象深いところであろうか。
Drummania 9th Mix - カゴノトリ "Kagonotori" [EXT]
この楽曲は序盤三拍子・中盤以降四拍子とすることで日本的なリズムを感じさせつつ、「籠鳥耽々」という八音節が途切れることなく歌われるのが非人間らしさ=不気味さを感じさせる。
梶浦由記氏や志方あきこ氏に見られるようなエスニック要素の感じられるシンフォニックロックを踏襲しつつ、更に日本にグッと寄せることで、和の要素が持つ不気味さを取り入れた怪作である。
みなさんも気になったらぜひやってみてください。
全然関係ないけどMM17だからナメてたらフルコンカッターがいやらしすぎる!
そういうところも嫌いじゃないよ。
*1:諸説あります。
二週間って14日しかないのに #MU2020 みんな仕上げすぎてて凄かったという話。
タイトルで全部書いた感しかない。
昨日のブログでも書きましたが、Music Unity 2020お疲れさまでした。
MOGRAのMusic Unity 2020 #2をwww.twitch.tvから視聴する
家にいるはずなのに飲酒爆踊りして若干二日酔いでした。
いやあそれにしたってねえ。14回寝て起きたら2週間経っちゃうんですよ?
DJの皆さんももちろんいい曲がいっぱいかかって最高だったんですが、VJの方々の演出面もすごかったですね。
BATSUさんが消えたり出てきたりすんのどうやってたの…?本当に。
DJというのは基本的に現場の盛り上がりを見て、この曲の方向性なら盛り上がるな、というのを考えながら選曲していくものだと思います。
しかし、1万人規模のストリーミングとなると、大概どんな曲を流してもチャット欄で誰かしらブチ上がっているんですよね。
なので、「どうせなら選曲ガチガチに固めてしまって、それに合う演出を凝ってしまおう!」という方向にシフトしていくのも当然っちゃ当然なのかな?という感じでした。
作りこまれたエンターテインメントって見てて気持ちいいですからね。
そういった意味では、昨日のMVPアクトは間違いなくTEMPLIMEさんと星宮ととさんでしょう。
ハッキングからの登場という、サプライズ演出という作りこまれた意外性に大喜びしないオタクなんていません。
このリンクから飛ぶと、その演出のあたりから見られるかと思います。
なんとなく「ネオンライトって曲がいいな~」程度にしか知らなかった方々なのですが、一晩で好きになってしまいましたね。
歌詞もしっかり見たのは初めてなのですが、「ネオンライト」という曲名とは裏腹の、淡い水彩のような表現が光るいい歌詞です。「肌に触れて揺れた水面と」っていうサビの入りが特に秀逸。
また明日から開店休業状態なのでいろいろと活動頑張っていきます。よろしければチェケ~。
あ、MU2020のチャリティ的な通販はこちらにありますのでよろしければ。
ルーチンを目標にしたが、今日はもう記事が書ける気がしないのでみんなで踊ろう。
MOGRAのライブビデオをwww.twitch.tvから視聴する
イエーガーとジンを買いました
お酒を飲みながらウチで踊っていると思います
皆さんも外に出られない分踊りましょう
mograは最高のハコなので早くまた行けるようになってほしい
ミスチルのダークサイドも今なら見放題。
自粛を受け、どこの業界もインターネットをいかに使おうかというのを画策する中、アーティストはライブやPVのYoutubeアップロードという流れが来ているようだ。
Mr.Childrenも、かなり多くのPVを一週間ほど前からアップしていた。
そして今から遡ること3日、B'zがすべてのライブ映像を公開。今までに見た対応としては一番大盤振る舞いかと思う。
ライブ映像は生配信のみのプレミア公開という対応も多い中、いつでも全部見られるというのは破格の対応だろう。
そんな大手の争いが激化…したのかどうかは定かではないですが、ミスチルは昨日、突如としてボレロ収録のMVを4曲公開した。いずれもVHSのビデオクリップ集飲みに収録されているレア物で、今のミスチルのイメージとはかけ離れたものばかりだ。
だからできれば出したくなかった…かどうかもわからないが、とにかく、今いろんなことが制限される一方、平常であれば触れられなかったものに触れられるようになっている。
物事にはすべからく二面性があるし、どうにか上手く楽しんでいければ良いという気持ちで色々漁ってみるのはどうか。
まあ、今日は普通に勤務なんですけどね。
家にいるのでライブBDばっかり観てるけどユニゾン15thはやはり圧巻。
コロナによる緊急事態宣言、それに伴う自粛がなかなか終わりを見せない。
そんな中、家にいても色々と楽しめる人種で本当に良かったとは思う。
家にいてやることがなくなるということは基本的にないわけだし。
それでも、家の外に出て大騒ぎしたいという欲はある。
そんなとき、もちろん配信の無観客ライブを楽しむのもいいが、時間が合わないこともある。
そういうタイミングで(指示語多すぎじゃない?)役に立つのが、ライブBDである。
現地の空気感、それを完璧に体感することは出来ないが、何度かライブに行ったことのある人だったり、行ったライブのBDを見たりすれば、真に迫るものは感じ取れるだろう。そうだね、エミヤだね。
そうやって自宅を楽しむ中で、やはりUNISON SQUARE GARDENの15th Anniversary Live、「Program 15th」は圧巻の良さを感じられる。
このライブ自体には行っていないにも関わらずである。
まず、一曲目が「お人好しカメレオン」で始まる、というのがもう衝撃だ。
この曲は収録アルバム「CIDER ROAD」のツアー、僕が参加した渋谷公演でアルバム曲の中で唯一やらなかった曲なのである。
UNISON SQUARE GARDEN “CIDER ROAD"TOUR 2013~4th album release tour ~@NHKホール(仮) [DVD]
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そんな曲でアニバーサリーが始まると誰が思うだろうか。
あとはやはりユニゾンのアニバーサリーといえば思い出さざるを得ないのが11thの武道館ライブ、「fun time 724」である。
あのときは「DUGOUT ACCIDENT」発売直後というひとつのヒントがあったので、セットリストにもある程度の期待というか予測というか、そういうものがあった。
UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL“fun time 724" at Nippon Budokan 2015.7.24 [DVD]
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しかし、これに関してはそういったものがなかった。いや、あえて言うならばユニゾンのアニバーサリーライブという概念そのものがヒントであったと言えるかもしれない。
つまり、このライブは武道館ライブに対するアンサーといえる要素が随所に散りばめられているのだ。
まず「プログラム Continued」のリメイク。これに関しては誰しもが気づく部分であろう。
あの時から更に増えた楽曲の要素を散りばめた歌詞。感情が昂ぶらないわけがない。
そして、武道館以来発売されたシングル曲はすべて演奏されている。
10%からCatch upまで、最近知った人も楽しめる構成になっているといえるだろう。
そしてCIDER ROADツアー以来お目にかかれなかった「オリオンをなぞる」の演奏。
今でこそ「シュガーソングとビターステップ」で押しも押されもせぬ知名度を築いた、といえるだろうが、このバンドの一番のブレイクスルーは「オリオンをなぞる」である。
そもそもこのバンドを僕はjubeatに収録されていた「フルカラープログラム」「Mr.アンディ」で知ったクチなので、jubeatにはそういったマイナーだが良い曲を入れる、センスのあるディレクターがいるのだなと勝手に思っていた。
そんな中、jubeatに「オリオンをなぞる」が入ったときは少しばかりがっかりしたものである。めんどくさいオタクだな。
まあ本人たちが代名詞過ぎてやりたくないと思っていたかはわからないが、そんな「オリオンをなぞる」を僕も受け入れられるほどには大人になった。
そんな中でのトリ前である。良くないわけがない。
そして、最後3曲が桜のあと→オリオン→センチメンタルピリオド、となっているのは武道館のアンコールに対する強烈なアンサーである。
武道館のアンコールは3 munites replay→kid,I like quartet→フルカラープログラムであった。
15thはアンコールのないライブであったそうだから、リプレイはしないということだろう。代わりにユニゾンブレイクの象徴たるオリオンをなぞるへ。
喜怒哀楽四重奏は同じヨザカル繋がりの桜のあとへ。
そして、センチメンタルピリオドは武道館アンコール前ラストの曲である。
こんなふうに書いてみると、アンコールではないとはいえ、ユニゾンほど素直さのないバンドが、ラストをこんなふうにシングル曲で固めることがとても象徴的であった気がする。
なにせ、フルカラープログラムは名曲とはいえ、メジャーデビュー前のミニアルバムの一曲である。
それを周年でフィーチャーしていたバンドが、メジャーデビュー曲で締めるということがどれだけ驚くべきことかおわかりいただけるであろうか。
みんなちょっと大人になったのかな、というほんのりとした素直さを感じるライブBDであった。
とても良いので是非暇を持て余している方は見ていただきたい。
そして、この記事を見て「お前浅いよ!」と思ってくれたユニゾンオタクの方いらっしゃいましたら、今度一緒に飲みましょう。
俺をボコボコにしてやってほしい。