本日の一曲「夜見人知らず/クラムボン」
僕とクラムボンとの出会いは存外に古く、高校1年生ぐらいだったろうか。
aikoや椎名林檎にハマっていた友人が勧めてくれた中にそれがあった。
彼は専ら原郁子の詩人性に惹かれていたのだろうと思われるが、自分なりの趣味を見つける中で僕が注目したのはミトさんという存在であった。
おしゃれな作風、確かな良いメロディ、物理的にぶっ壊れるベース。
それが決定的になったのは、沖井礼二氏の竹達彩奈プロデュースを皮切りに、次々に持ち込まれたアニソン・声優アーティストによる「渋谷系再興」という文脈であっただろう。
いつしかミトさんの動向を追うようになり、当然の如く僕のSpotifyにもその片鱗が顔を見せていた。
そうやって僕が彼の動向を今まで追い続けているのは、本業のバンドサウンドのみならず、DJイベントにも顔を出し、繋ぎの技術などなくとも選曲が俺好みならお前らも好みだろう!と言わんばかりに原曲を流し倒していく、そういうフットワークの軽いところが大いにあるだろう。
千花っとチカチカのダンスを完コピしていった回は本当に最高だった。
TVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』第3話エンディング映像 ♪「チカっとチカ千花っ♡」
そして、このたびの新曲。
そうした中で、この曲も僕の前に顔を見せたわけである。
そしてどうだろう。この曲は間違いなくクラムボンでありながら、あたかもクラブミュージック界隈においてドラムンベースがフューチャーベースに派生したかのような、そういったテンポ面のアプローチが感じられる。
クラブサウンド的なアプローチを、ミトさんなりに解釈するとこうなるのか、なんて想像させられるようなビートに乗せて、優しくも儚い歌が流れるように過ぎていく。
やはりすごい人というのはアップデートされていくんだなあ。
そんな一睡もできなかった午前八時。