第二形態はロボットだけのものじゃない。あるいはリステ11話が新たに作り出したもの
全人類が見ているであろうリステ。その11話が昨日公開された。何?まだ見ていない?GYAOで全話無料配信中だから見るんだ、今すぐ。
まあ全人類損するとまでは言わない*1が、この記事を読む上で、人にネタバレをされると俺はブチギレるんだ!というタイプの人間の皆さんは是非見ていただきたい。僕も命は惜しい。
良いか?注意はしたからな。
これぐらい書けば多分見た人か、他人にネタバレされても楽しめるタイプの人しか残っていないだろう。ちなみに私はシュタインズゲート方式の世界線解釈を取り入れているので、「一周目見る前にネタバレされた自分としての世界線」というのも意外と楽しめるタイプの人間である。
閑話休題。
リステは長らく、僕の中では「なんでアニメ化されたか全然わかんないけど、好きなコンテンツだし普通にいい感じにアニメになってよかった」という評価のアニメであった。
去年に2ndライブが行われたが、使われた会場は知る人ぞ知る代々木、山野ホール。
そう、日本に何軒あるかもわからない僕の愛するとん汁専門店「ごちとん」がある代々木である。
見え透いた誘導である。話がそれた。
そのキャパ、およそ800人。
アイドルマスターミリオンライブ!なら、リリイベで使う規模である。
それもそのはず、リステがライブをやっていたときのゲーム内イベントのアクティブユーザー数が、およそ2000人。*2
そのうち半分近くが来ていると思えば熱心なコンテンツとも言えるが、ともかくその規模でアニメ化と言われたのである。手放しに喜ぶよりも先に、「予算はどこから……?」と思ってしまった僕の感情もきっとわかってもらえると思う。
ともかく、そんな不安と期待*3を抱えつつ迎えたアニメ化。
僕らを待ち受けていたのは、伊藤翼氏の間違いないOP曲と、アニメのために作ることになったという主人公ユニット6人のソロ曲であった。
参考ツイート:
ソロ曲編
— 株式会社ゆめ太カンパニー【公式】 (@yumeta_company) September 3, 2019
4話のシナリオ内に「ホコ天で歌うみい」とあり、椿本Pに「オリジナル曲歌わせたい」と熱く提案したところ、「みぃだけってわけにはいかない」となり、結果あの超豪華な6人分のソロ曲が出来るという神采配が発生。#リステDD制作現場より #リステDD
というわけで、主人公ユニット「KiRaRe」の柊かえちゃんが大好きな僕としてはその時点で万々歳*4だったのだが、いつものリステ運営のテキトーなノリが外に広まったことで妙にバズったり
もして、まあそれなりに見られたアニメとしていい感じに終わろうとしていたのである。
しかし11話。
これがすごかった。*5
簡単に言ってしまえば、「前の回で出した曲を、明確にブラッシュアップという形で別アレンジ・別歌詞をつけてもう一度出してきた」のである。
かつてそんなことをしたアニメがあっただろうか?
ある意味では「たくさんあるでしょ」と言えるだろう。
それは「第二形態」である。
勝てない敵、それでもどうしても勝たなければならない敵に対峙したとき、古来からいろいろなものが「第二形態」に進化してきた。
最近ではジョジョのゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが記憶に新しいだろうか。
しかし、これを曲でやったのを見たのは、少なくとも僕はリステが初めてであった。
理由も何となく分かる。「作りづらい」からである。
同人音楽家の端くれとしての実感ではあるが、自分で「これ」と思って作ったアレンジのものを、その場で更に良くしろというのは不可能に近い。
何故ならできるもんならそうしているからである。
それならば第二形態の方にベストを置き、第一形態を違うものにしてみたらどうかと思うが、それもなかなか難しい。
第二形態を自分の中のベストとして作っているからである。
もちろん、歌詞に関してはそれぞれ別の人に依頼することでそのハードルをクリアしているわけだが、アレンジは伊藤翼氏がご自分でやっているというのだからすごい。
「どちらも違って、どちらもベスト」そう言ってのけられるものを同時に作り上げるなんて、並の引き出しの量ではないのだ。
そんなわけで、リステは「今までで初めての感動をくれたアニメ」に進化した。
これでまだあと1話あるというのだから恐ろしい話である。
ここまで読んで第一形態「キラメキfuture」そして第二形態「OvertuRe:」が気になったけどまだ見ていないという人、良かったら覗いてみてほしい。
今までにない音楽体験があるはずである。